エイサーな毎日

今年８月、エイサーフェスティバルｉｎ北谷に行った際、
開始前の暇つぶしに会場隣のニライセンターにある
北谷町立図書館で過ごしました。

そこで面白い書物を見つけました。

「平安山ヌ上誌」

　基地に消えた古里再び　旧北谷村「平安山ヌ上」１５年がかりで完成　（琉球新報）
　
この本に、旧北谷村平安山ヌ上ヤイサーに関する興味深い記述がありました。
ちなみにこの集落では「エイサー」のことを「ヤイサー」と言っていたようです。

練習の様子や衣装、曲目、旧盆のときの隣地域とのヤイサー交流などが記載されています。
また、当時を知る古老たちの対談も掲載されていて遠い昔に思いを馳せる内容と
なっています。
実はこの古老のなかに、毎年旧盆に伺っている家の方がいてびっくりしました。

冒頭の部分を引用します。

　平安山ヌ上ヤイサーは、いつ頃から行われたかは定かではないが、
　先輩たちの話では明治の中期頃からではないかという。
　平安山ヌ上のヤイサーは男ヤイサーで勇壮活発なものである、
　空手の組み手を取り入れた極めて男性的なヤイサーであった。
　千原エイサーは平安山ヌ上から伝えられたと言われている。


対談のなかでは、

　平安山ヌ上ヤイサーは首里辺りから伝えられたと思うよ。
　あれは士族のヤイサーでしょう。武士手（空手）を
　取り入れた舞型だから。

とあり屋取エイサーである事を伺わせます。

また、戦後は那覇の全県大会にも出場したとの記載があり、
コザの全島エイサーコンクール以外にも全県レベルの
エイサーイベントがあったと思わせます。


ちなみに平安山ヌ上集落については、こちらにも詳しく記載されています。

　北谷町の地名-戦前の北谷の姿
　

平安山ヌ上は現在の嘉手納基地第１ゲート付近にあったようです。
戦前まで盛んであった平安山ヌ上ヤイサーも、戦後は
接収により住民が離散し、徐々に衰退していったとのことです。